【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


――願わくば、愛するものと共に生きていきたい。


けれど、それが叶わないのなら、せめて、愛する人には笑っていてほしい。


傷ついてほしくない。


泣いてほしくない。


愛するものを傷つけて泣かすくらいなら、死んだ方がましだと、心から思うほどに俺達は恋に溺れてしまった。


互いに惹かれ合い、愛し合い、求め合う。


誰もが望む愛する人との幸せは、叶わない。


全員、等しく、叶うものじゃない。


誰かが誰かと結ばれれば、恋に破れる人がいて。


人の愛の裏では、常に傷ついている人がいる。


傷ついている人がいるから、俺達は幸せを感じられる。


この広い世界で、巡り逢い、愛し合えたことでさえ、奇跡……


ならば。


< 270 / 759 >

この作品をシェア

pagetop