【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
――願わくば、愛するものと共に生きていきたい。
けれど、それが叶わないのなら、せめて、愛する人には笑っていてほしい。
傷ついてほしくない。
泣いてほしくない。
愛するものを傷つけて泣かすくらいなら、死んだ方がましだと、心から思うほどに俺達は恋に溺れてしまった。
互いに惹かれ合い、愛し合い、求め合う。
誰もが望む愛する人との幸せは、叶わない。
全員、等しく、叶うものじゃない。
誰かが誰かと結ばれれば、恋に破れる人がいて。
人の愛の裏では、常に傷ついている人がいる。
傷ついている人がいるから、俺達は幸せを感じられる。
この広い世界で、巡り逢い、愛し合えたことでさえ、奇跡……
ならば。