【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
□夏翠side■




前世の話を聞いてなお、離れたくない。


聞いたあとの方が、側にいたいと願う。


目覚めた瞬間、自分が自分じゃなくなるようで怖かった。

違うって言われても、かつての私が経験した記憶は、重く、深く、そして、罪深い。


震える身体を、押さえ付けて、それでも、溢れ落ちる想い。


『そなたに逢いたい…』


前世からの想いが、私を泣かした。

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