【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「……そうか、沙耶が……」
茶を飲みながら、事の顛末を飛鷹に説明すると、飛鷹は悲しそうに相槌を打った。
「生きる希望、か……」
俺らが守るべきだった、姫。
そんな姫と愛し合った、人間。
「……分からないな。どうして、俺らに関わる人間の誰か一人は、いつも必ず、不幸になるのか」
その生まれ変わりの飛鷹は、姫であった月姫が沙羅、紅鈴へと生まれ変わるのと同じように、月姫が愛した人間……燕鳳から、隆舜、燎飛へと生まれ変わっていた。
「それが、”姫“の宿命だからだ」
「なら、そもそも、”姫“とはなんなのか」
「……」
それは、うまく説明ができなかった。
昔からの言い伝え。
ずっと、語り継がれる“姫”の意味。