【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
天地のどこかで、なにかが滅亡するとき、“姫”は生まれ、それらを救う。
月姫は、人間が滅亡するのを止めるために生まれてきた姫だった。
「……どんなに考えても、分からない。それは、天界に住んで、皇子としての教育を受けていた、俺らでも知らないんだ」
「……天界には、史記とかないのか?」
「……ある。が、書いてなかった」
前世の俺が見た、天界での“姫”の記録。
それは……
「月姫が、二代目だった」
「……は?」
「代々と、繋いできていたはずの“姫”。月姫が死んだあとに史記を見れば、月姫が二代目で……月姫の前に初代がいる他、“姫”が存在してなくて……」
「何だと!?」
飛鷹が声を荒らげる。
当たり前だ。
俺達だって、驚いたんだから。