【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
人を愛すこと、
護ること、
信じること、
なにもかも。
それらは無駄なことではなく、必要なことであると知っていてほしい。
「……時間は、あと2年。その間に、なにかできる?」
沙耶の余命までの時間。
あと、2年。
「これは、最高なんだ。最低が、17歳だった」
現在、18歳の沙耶は、震える声で唇を噛んだ。
「毎朝、毎朝、『嗚呼、まだ、生きているんだ』って思って、悲しんでいたの。なのに……今は」
積み重ねる意思は、対を成す月影のよう。
沙耶の存在は、光。
暗闇を導くその存在は、俺の明日へと切り開く。
「『まだ、命に時間がある。良かった』……そう、思っちゃうの」
護り闘う強さ求め、壊れていく沙耶。
瞳閉じ、背いても、逃れえぬ宿命に多くの涙を流してきた。
変わりゆく真実にこの手が離れても、躊躇うことなどない沙耶の選ぶことは、決まっている。
涙に飾られた宿命を、抱き留め向き合う強さで、俺達は乗り越えることができるだろうか?
「生きることは、幸せ、だろう?」
求めあい、何度も絡みあった互いの指先。
伝わる鼓動溶けゆき、選び取る道筋で幾度挫けても、俺たちは絶望することはないだろう。
だって、鼓動が動いているのだから。
「生きている限り、何でもできる。だが……死ねば、未来は孤独だ。それは、寂しいじゃないか」
笑いかけると、沙耶の腕に力がこもった。
無言で抱きついてくる沙耶と、視線が絡む。
身体が動く、俺達は触れ合う。
交わって、堕ちていく。
……そして、異常な沙耶の様子を
俺は目の当たりにする。