【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


「……沙耶?」


「っ……!?」


ピタッと、頬になにかを当てられ、思わず、悲鳴をあげる。


「……つめたっ!」


当てられたそれは、氷のたくさん入っていた水。


「あ……ありがとう」


相馬からそれを受け取り、口つける。


「あんまり、抱え込むなよ?俺がいるんだから」


「ん……」


私は、あまりの恥ずかしさに俯いた。


相馬の笑顔があまりにも綺麗で、美しくて。


それを凝視できなくて、恥ずかしくて。


捨てたはずの夢が、出来る。


捨てたはずの憧れが、甦る。


封印したはずの、感情が復活する。

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