【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「……相馬」
嗚呼、やっぱり、厄介ね。
好きにならないはずだったのに。
こんなにも、彼を愛してしまった。
「ありがとう!」
いつも通りの笑顔。
それを意識しなくても、心からの思いだけで笑えた。
(……不思議ね)
貴方の側にいるときだけ、何も考えないでも素直に笑えるし、ものが言えるの。
人の決意を打ち砕き、人の迷いも拐ってく。
愛というものは、なんとも不思議で厄介で、あたたかい存在なのだろうか。
「ああ」
判らないが、知りたいに。
知りたいが、感じたいに。
どんどん、私は変わってく。
あなたに変えられていく。
だからこそ。
貴方の人生を狂わせてしまった私は、貴方の側にいるべきではないと思う。
これ以上、側にいれば……最期のとき、相馬が苦しむ。
一生、それを引きずってしまうかも。
大丈夫。
何度も、言い聞かせるのに……私の心は、泣いていた。