【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


「……ともかく、この件はまだ……」


「分かってる。夏翠には、黙って……」


ガタン、と、音がした。
廊下側から。――誰かが、転んだような。


「誰だ?使用人か?敵か?それとも……」


飛鷹が廊下に行き……見ていた、聞いていた人物と鉢合わせると、目を、見開いた。


「……この娘には、内緒なのであろう?なら、妾が聞いても、構わぬな」


もちろん、その姿を確認した、俺だって。


信じられなかった。


何で、“彼女”がここにいるんだ。


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