【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


『健斗、どうしよう……私のせいで、沙耶は……っ!!』


『……沙耶の運命は、沙耶のもんや。僕らが知って、悲しむもんやない。沙耶の命が短いなら、その分、幸せにしてやれば良いんや』


けど、すぐに、私の体には病魔が見つかって。


生まれてしばらくは、入院生活。


発作を起こし、苦しむ私の側には、いつも誰かがいてくれたらしい。


その時、私の主治医になったのが、夏翠のお父さんの直樹さん。


私の病気を治そうと、精一杯、頑張ったけど……駄目だったらしい。


それだけ私は、説明できない発作や発熱、嘔吐を繰り返していたと聞いた。


直樹さんはとても良いお医者さんだったけど、ある日、お母さんに限界が来てしまった。


京都はお母さんにとって、あんまり良い思い出がない。

それでも、父さんが毎日側にいたお陰で、笑っていた。


入院中はずっと、側にいることも叶わない。

触れ合うことも、叶わない。


いつも、絶望していた場所の見える病院は苦痛だったのか、はたまた、苦しむ娘を見ることが辛かったのか……最後には、なにも口にしなくなったお母さん。


それを見て、父さんは今、私達が住んでいるところに移ることに決め、行動した。


勿論、朝陽達も一緒に。


直樹先生のお陰で、だいぶ、調子の整っていた私は、お母さんとお父さんとアイラと朝陽と大兄ちゃんと勇兄ちゃんと今の家に引っ越してきて……それからずっと、そこに住んでいる。


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