【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「レオに頼んでおけば、間違いない。あいつの腕は、すごいからな。……お前は、笑ってろ?笑って、もう少しだけ、頑張ってみろ。高校だって、やめずに」
「……」
「それに、お前は一人で、背負い込みすぎだ。お前の周りにいるのは、力のない奴等ではないだろう?」
誰にも、頼ってはいけないと思っていた。
なのに。
「……ふはっ、そうだね」
この人には、頼りきりだ。
「ん。よし」
何故だろうか。
相馬の側にいると、敵などいないと思えてしまう。
実際に、相馬の敵に喜んでなる人はいないから、当たり前だろうけれども。
「……ありがと」
権力を誇示するのは、好きじゃない。
けど、その権力のせいで、なにかを失うのも嫌だ。
我が儘ばっかりな、私の願い。
(……好き)
それをすべて叶えるこの人の強さには、一生追い付けることはないと、心から思った。