【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「禁断の恋とか、呼ばれちゃうやつだよね」
兄弟で愛し合ってしまった二人は、駆け落ちしようとするが、美喜子に止められ、雷紀は別の女性と結婚。
雷紀の心情がどんなものだったかはわからないが、その別の女性……金髪に青い瞳のセイラとの間に、アイラと沙耶のお母さんであるユイラ双子が産まれたそうだ。
「まぁ、そうだが……血は繋がってないしな。俺の家でも、歴史上に幾度かあったから、おかしなことでもないと思うが。ただ、なら、なぜ、この男は朝陽を捕まえようとした?アイラの我が儘を聞いてあげなかった?ユイラを捨てた?今、何故、大樹さんを追いかけ回している?」
疑問点は、たくさんである。
「言われてみれば、そうだな……」
甲斐も納得したように、うーむと唸った。
「…………まぁ、罪は溢れるくらいにあるから、良いんじゃね?」
暫くすると、面倒くさいと言うように甲斐は言った。
確かに、警察に捕まるのはほぼ、確定でもある。
「とりあえず、沙耶に知らせるか……」
携帯を取り出すと、そこには目を見開くほどの着信が。
姉、姉、姉、姉、姉、真琴、姉、飛鷹、夏翠、飛鷹、姉、真琴、真琴、健斗さん、姉……
「……なんか、あったのか?」
それは、こっちが尋ねたい。
なんだ、この着信の数。
かけ直した方がいいなと思い、誰に電話をするか悩んでいると、室内コールがなり、呼び出された。
後でかければ、いいと。
そう、思っていた。