【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
『妊娠13週目ですね』
さらり、と、告げられた言葉。
『おめでとうございます』
……おめでたくなんか、ない。
でも、私は笑った。
『ありがとうございます』と。
十中八九、相馬の子だ。
なら、私はどうする?
この子達を生んだら、私は死ぬ。
私が死んだあと、この子達はどうなる?
そう考えれば、考えるほど、ああ、私死ぬんだという感覚にとらわれて。
沈み込むような、恐怖が私を襲って。
怖くて、怖くて。
誰にも相談できないまま、子供は成長していって。
気がつけば、10月の半ば。
子供は、16週。
逃げられない。
中絶するとしても、あと、一月が限界。
でも、そんなことを私はできない。
人の命を殺すなんて、出来ない。
この子達だって、私の中で生きているんだから。