【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「……せやな……」
もう、どうしようもなくなって。
最低だし、親不孝娘だとわかった上で、私は両親に相談した。
お母さんは泣いて、嫌がって。
当たり前だ。
孫は可愛くても、娘の命と引き換えなんだから。
私だったら、嫌だから。
そう思い、俯くと。
「……沙耶、お前はどうしたいんだ」
お父さんと二人っきりになった部屋で、そう、尋ねられた。
「え……?」
「生みたいか、生みたくないか、聞いているんだ。生みたいのか?それとも、生みたくないのか?」
願っていることは、勿論……
「生み、たい……」
当たり前だ。
中絶なんて、絶対に嫌だ。
でも、私は……
「この子達を、抱けない……っ!」
陣痛、生むときの体力、そういうものに耐えられないだろうと言われてきた私の体。
どんな病気かは、わからない。
でも、実際に激しい運動をし、発作を起こしたときは呼吸が止まった。
病名はわからないけれど、息が止まるのだ。
だから、直樹さんはダメだと言ったんだ。
私の命を、最優先に考えて。