【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
あれは、10歳の頃だったか。
まだ、4歳だった相馬に仕え始めた日。
やんちゃで、わがままで、けど、努力することも忘れなかった相馬は、母親の自殺の日から変わった。
父親の愛情が薄れたと、相馬に恨み言をはいて、相馬の部屋で、相馬の誕生日に果てた母親。
女なんて、信頼しない。
見向きされずとも、一生懸命、努力して、母親に愛されようと必死だった相馬の母親宛の愛情は、理解されず、憎しみに変わった。
そして、相馬の全てを餌にして、寄って集ってくる女達を相手するようになった相馬の瞳は、何も映していなかった。
正直、鬱陶しかった。
それでも、仕える主だからと女達を破滅させてきた。
遊べば、遊ぶほど……相手にすれば、するほど、相馬は自身の知らないところで、相馬の心はすり減って……沙耶が現れてくれたときは、本当に天に感謝したほどだ。
お互いを愛し合う素振りもなかった二人は、静かに愛を育んで。