【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


『はーい?』


インターホンから聞こえてきた懐かしいその声に、私の不安が膨らみだす。


「沙耶、お帰り~」


玄関を開いて顔を見せてくれたのは、私のお姉ちゃんのような存在の春ちゃん。


「大ちゃーん、沙耶が帰ってきたよ~」


春ちゃんののんびりとした声のあとに続いて、物に何かがぶつかる音が響く。


「……沙耶!?」


色々な不安になるような音が響いた後、漸く、玄関から顔を覗かせた兄たちを見て、苦笑する。


「ただいま、大兄ちゃん、勇兄ちゃん」


兄たちは痛そうに腕をさすりながら、こちらに満面の笑みで微笑む。


(……お兄ちゃん達の笑顔を見るたびに思うんだけど…お兄ちゃん達って……)


イケメンの部類に入るではないだろうか、と。

相馬や夏翠と一緒にいると、分からなくなるが、いつも一緒にいる面子は顔面偏差値が高い。

イケメンだって言われても、納得できないのは家にこんな異常物体が二体居るからかもしれない……と、今更ながらに思う。

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