【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「……黙っておこうと思っていたの。でも、言うわ」
記憶はあるって言おうと思った。
だって、そうすれば、みんなに近づけると思ったから。
みんなは、“目覚めた”私しか知らないから。
「私、もう、記憶あるから。月姫としても、沙羅としても、紅鈴としても……言ってくれたら、わかるぐらいに細かく、思い出しているから。だから、もう、隠さないでくれる?私だって、皆と戦いたい」
目を見開いた、大人、幼馴染みたち。
「央耀のことは、私の責任。ううん、月姫の責任よ。瑛醒を始めとした多くの人間を殺してしまったのは沙羅の責任で、ちょっとした情けで央耀の生まれ変わりだった龍騎を逃がしてしまったのは、紅鈴の責任。みんな、みんな、後悔してる。そんな悪の連鎖を、私は止めるために、この世界に生まれ変わってきたの。かつてのように、みんなと……薫達と闘うために」
覚悟は、とうにできている。
だから、どうか。
「もう、後悔するのは嫌。どうせなら、精一杯、闘って、闘って、死にたいのよ。みんなを守りたいの。だから、もう、私に隠し事をしないで」
守られてきたことは知っている。
大事にされてきたことだって、分かってる。
だからこそ。