【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「……それでこそ、姫だな。なら、俺は援護をしよう」
「瀧!?」
意外なところからの賛成に、幼馴染みたちが声をあげる。
「本人がやるっつてんだろ?なら、後押しぐらいはしたいじゃねーか」
飄々とした、雰囲気。
「……お兄ちゃん」
私の口から、自然と出た言葉。
「なんだ?」
明るく、笑ってくれる人。
「ありがとう」
涙が溢れた。
頬を伝った。
紡がれたその一言は、沙羅の言葉で。
「お兄ちゃん、ありがとう」
遠き日のように、私は彼に微笑んだ。
息子だった人に、兄だった人に、今は、親友の人に。