【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


すると、隣の部屋がざわついていた。


やけに、病院内が騒がしくて。


「体温、計りましょうね」


入ってきた看護師さんに聞いてみた。


「……なにか、あったんですか?」


すると、疲労の滲む顔で、彼女は笑う。


「ええ。ちょっと、最近、殺人が多くて。記憶障害の患者さんたちも多くてね……大忙しなの。騒がしいでしょう?ごめんなさいね」


「あ、それは大丈夫です。逆に私も、産婦人科ではなくて、こんな普通のところに入院をさせてもらっていますし……」


本来なら、いるべき場所が違う。


姫宮先生の診察を受けるためだけに、私はここにいる。


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