【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「はいはいはいはい。仲良いのは良いことだけど……ここ、病院だから。夏翠が散々、叫んだあとじゃ、もう遅いけど……直樹が過労死しちゃうから。移動しよ?」
そう言えば。
と、俺らは、周囲を見渡した。
「助かるよ、美桜……」
疲れきっている、直樹さん。
悪いことを、してしまった…………。
若干、反省した。
一応、お世話になっている人だから。
でも、その次の言葉で、色んなものが吹っ飛んだ。
「仮にも、元婚約者だし?体調には気遣って差し上げますよ」
「……僕、妻一筋なんだけど」
「……んなこと、言われなくても知ってる。私だって、先生……京一筋よ」
爆弾発言さまさまだ。
「え、二人って、婚約してたの……?」
戸惑う澪の声に、二人はニッコリと微笑んで、
「ええ」「うん」
と、頷いた。