【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
≪桜≫
私を優しく撫で続ける、彼に私は逢わせてあげられる。
≪美桜≫
彼が想い続ける、彼の愛する人に。
「大丈夫。もうすぐ、逢わせてあげるから」
二人で、一緒に逢おう。
そして、頑張ったお母さんを抱き締めてあげよう。
救ってくれて、ありがとうって……私は、言いたいから。
どうか、貴方も。……ねぇ?お父さん。
「……あ、そうだ」
「ん?……どうしたの?」
「相馬たちも、来るかな?」
薫に逢いたいのは、当たり前。
抱き締めてほしいし。
でも、それ以前に、私は、自分の力を使う力が今、ないから。
出来ることなら、力を分けてもらう。