【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
ジーンズに大きめのTシャツ、上から軽くカーディガンを羽織っているお祖父ちゃんは、私のお父さんと言えるくらいの見た目である。
若々しすぎるが、すでに80に手が届くはずである。
汗を流し、走ってきたと思われる祖父は、驚く私をよそに、私を力強く抱き締めた。
お祖父ちゃんを初めて見たら、わからないんじゃないだろうか。
彼が私の祖父だなんて。
まぁ、これもお祖父ちゃんの能力のひとつなのだが。
「く、苦しい……」
抱き締められた力が強すぎて呻くと、抱擁は弱まって。
「……無事で、良かった……」
そんな、安堵の声が聞こえた。
お祖父ちゃんの能力は、不老とその魂を留める力だ。
他にも何かあるかもしれないが、私が把握しているのはそれだけで。
不老を使っているせいか、まだ、こんなにも若々しいのだ。
「皆が守ってくれたお陰。ありがとうね、お祖父ちゃん」
私のために怒ってくれた、お祖父ちゃんにも感謝している。
だから、余計に逢わせてあげたくて。