【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
■相馬side□



最近、寝ていない。


正確には、寝れていない。


眠ることが可能のはずの飛行機の中でさえも、俺は仕事を行うから。


当主こと鳴海秀征が死に、桜が目覚めてから、9日。


俺は約一週間ぶりに、日本の土を踏んだ。


「相馬!」


みんなと落ち合う約束をしている空港で、迎えに来てくれていた千歳たちの声が俺の耳を突いた。


「こっちだ!」


言われる通りに護衛をつれ、甲斐と共に向かう。


「久しぶりだなーって、顔色、悪くねぇか?」


「ん?ああ……寝てねぇからな。でも、平気だ」


「相変わらず、大変だな。車の中で寝とけよ。だいぶ、かかるから」


「そーする」


なにげに、幼馴染みの中で、一番俺に優しい千歳は真面目な顔で、歩きながら問いてきた。


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