【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


「沙耶のこと、なんか、情報は?」


「……ないよ」


沙耶の行方の眩ませ方からして、恐らく、健人さん辺りが絡んでいるように感じる。


でなければ、御園にわからない情報はないはずだから。


沙耶の情報は、一切合切、シャットアウトされているのだ。


ちょっとしたことでも、バレないように。


見つけ出すと決めていたとしても、見つからない。


それでは、なんの意味もない。


「どうするんだ?この間の見合い、とか」


「断ったに決まってんだろ。ああいうタイプは苦手だし、何より、沙耶じゃないと俺は駄目だ」


「知っているが……でも、御園のトップとしては駄目だろう?ちゃんと、妻を作らなければ」


「わかっている。だから、何で消えたのかを探そうとしている。でも、本気でわからないんだよ」


わからない。


ある日突然、消えたから。


まるで、今までのが夢だったかのように……彼女は消えてしまったから。


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