【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
誰もが彼女に甘え、寄りかかった。
そして、人のいい彼女は、それをすべて受け入れた。
「ねぇ、月耀」
「……なんだ?」
「私にも出来ることないかな?」
救いたい。
誰もがそう、思ってて。
月耀はため息をつくと、言った。
「……助かるかはわからない。所詮は、運だからな。でも……んなことしたら、天の法に……」
「俺ら、今、人間。天の法律、関係無い」
バッサリと月耀の言葉を遮ったのは、風斗だった。
「その言い方は、あるんだろう?教えてくれよ。理不尽な運命なんて、蹴散らして見せる」
……お兄ちゃん的存在である風斗は、そう言って、不敵に笑った。