【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
過去への決別
□沙耶side■




真っ暗な闇のなか。


私は今日も彷徨い、歩く。


『相馬!』


私は彼に駆け寄った。


幸せで、抱きついて。


『大好き!』


夢の中でなら、いくらでも言える台詞を言った。


その瞬間、これは夢なのだと、冷静な自分が状況を把握した。


「……私はもう、死んだのかな?」


耳に残る、赤ちゃんの産声。


神様の与えてくれた、私の最期の宝物。

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