【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「せめて、抱いてあげたかったなぁ……」
子供という、宝物を。愛の証を。
この子達がいてくれれば、私は一人でも生きていける。
……その子達を産むことが、命と引き換えになったとしても、私は生みたかった。
残りの時間は、近づくほど、楽しかった。
あと、どのくらいこうして息が出来るのか。
あと、どのくらい彼の側にいられるのか。
あと、どのくらい彼に身体の奥から溢れるこの気持ちを伝えられるのか。
周りが心配してくれていることも、それをわざと口に出さないことも、知っていたよ。
でも、ね?
仕方ないことでしょう?
これが、私の“運命″だもの。
私は、平気だから。
最期まで、笑っているから。
だから、皆、泣かないで。