【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
『今はね、両親のために、私を思ってくれる皆のために、子供たちのために、私は戻らなくちゃならない。だから、ごめんね?』
誰かに呼ばれているのなら。
まず、そちらに向かわなくちゃ。
あの子達が手招きをしてくれるのなら、あの子達を無視はできないから。
ずっと、心のなかにいた人に、謝罪する。
まさか、こんな日が来るなんて。
死ぬのは怖くなかったはずなのに。
今、私は、“過去”よりも、“未来”がほしい。
すると、影は笑った。
いいよ、と。
『必ず、救うから』
よろしく、と、影は言う。
『あなたに出会えて、良かった。私を守っていてくれて、ありがとうね』
こちらこそ、と影は微笑む。
『もう少し、待っててね』
私の左はあなたにあげる。
だからね、あと少しだけ時間をちょうだい?