【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
去っていく二人に頭を下げて、振り返れば、貴方は言った。
伝えてくれ、と。
『ええ』
光が指す。
これが、私の行く道だと。
『ありがとう、愛していると伝えておくわ。あなたの代わりに、大樹に、アイラに、生まれた、あなたの孫同然の私の子供に』
二人に背を向ける。
『私は生き抜くから』
宣戦布告だ。
これからも、共に戦おう。
『……ありがとう、沙耶。愛していると、言っておいてくれ。アイラに、大樹に』
『ええ、もちろんよ。…………朝陽』
過去に決別を。
過去を振り返ることをやめ、私は前を向く。
理由をつけて、足を止めるなら、私は捨てる。
愛する人と生きるために。
だから、ごめんね?
私は、“生きてる″限り、“生きたい″と願っている限り、過去を貴方を見ないことにするよ。
幸せだと感じ、心が震えて、泣いて、愛してると愛する人に伝え、触れあえる喜びを、感じられる暖かさを、寂しさに苦しさ、すべてに私は。
“今″を生きたい。
愛する人とこの“一瞬″を。
愛する人と共に、私は“今″を生きていく。