【完】☆真実の“愛”―君だけを―2

想い

■相馬side□




ピッ、ピッ、ピッ……


電子音の響く、病室の中。


身体中に針を差し、眠ったままの沙耶は、呼吸は落ち着いていても、目覚めてはくれなかった。


酸素マスクがなくても、呼吸できるようになった沙耶。


でも、目覚める気配はなく。



「相馬、今日の面会はどうする?」


「おはようございます、直樹さん。つれてきてもらっても良いですか?」


「わかった」


俺は沙耶に付ききっきりで、看病していた。


あの日……


『夏翠たちの血を沙耶へ!?』


月耀の提案は、すぐに実行された。


確かに驚いたのは事実だが、俺の血を入れたんだ。


なんの不思議でもない。


夏翠たちは進んで、血を提供してくれた。


『私の血で、沙耶が助かるのなら』


自分のしたことに責任を感じているらしい夏翠は、高校卒業後、大学に進学しつつも、姫宮の家業に関わり始めていた。


そして、現在。


「連れてきたよー」


俺は伯父達の力を借り、月耀の言う通りに状態が安定した沙耶のそばについていた。


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