【完】☆真実の“愛”―君だけを―2



最期まで、我が儘でごめんね。


自分勝手な都合で、貴方を振り回して、ごめんね。


ずっと、愛してます。



どうか、幸せになってね。


もし、生まれ変われるのなら、今度はなにもないところが良いな。


身分も、病気も、呪いも、何もかもないところ。


そしたら、普通の幸せを手にいれることができるよね?


子供たちを抱き締めることができるよね?


……触れ合う手、当たり前のこの距離が嬉しかっんだよ。


夢に描いていても、手に入れられないはずだった、幸せは失われた記憶とともに、貴方から与えられた。


重ねあわされた未来、どれだけ想像したことだろう。


……叶うはずもなかったのに。


あなたとならば変えてゆける。


自分の宿命を。……そう思っていたわ。


暗闇を導き、明日へと切り開いてくれる貴方の笑顔。


護り闘う強さ求め続けた私の手を取り、抱き締めて、背中を守ってくれた貴方と生きていたかった。


例え、結ばれなくても。


貴方に好きな人がいたとしても。


友人として、そばいることができれば良かったの。


でも、やっぱり、瞳を閉じて、背いても逃れえぬ宿命ってあるんだよね。


私の心が変化する度に、私の想像していた未来は変わっていって、変わりゆく真実に私は、怖くなったことが何度もあった。


はるか時を超えてなおも、背負う、貴方。


私は、貴方の役に立てたかな?


巫女としての役割を放棄して、病院でこんなことを書いている私は、間違いなく、役立たず。


泣いてばかりの人生は、私の中に封印して、涙に飾られた宿命では、私は偽りの笑顔をうかべ続けた。


貴方が選びとるこれからの道で、貴方が何度挫けても、私はずっと、貴方の味方。変わらず、この心はあなたと共にあるからね。

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