【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
『お母さんを守ってあげて』
……それが、最大の過ちとも知らずに。
「それから、すぐ、あとのことなんだろう?和子が自殺したのは……分かっていた。自分じゃ、和子の願いは叶えられないと。それでも、守ってやりたかった。愛していたんだと思う。あいつが誰を見ていようと、例え、共寝をするときでさえ、俺のことを名前で呼ばなくても……『春馬』父さんと母さんがつけてくれた、俺の名を呼んでくれた、あの声が忘れられなくて……馬鹿だよな。親の勝手な都合とは、この事だ。俺の決断の間違いによって、相馬は母親の愛を失い、壊れたんだ」
壊れているのは、この人もだ。
相馬は、沙耶を見つけ、沙耶を愛し、苦しみながらも、希望を見つけた。
だからこそ、今だって、病院で沙耶に付きっきりなのだから。
この人には、本気で愛せた人間はいないのだろうか……?
父親の調査は、少し前に行っている。
例え、警察が見つけられないと匙を投げても、御園は簡単に見つけ出す。
何故なら、世界すべてを股にかけ、どこで何があっても、わかるようになっているから。
それは、光の世界も闇の世界も同じこと。