【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「……何て、書いてあったん?」
読み終え、俺が封筒にそれを仕舞うと、健斗さんが笑いながら尋ねてきて。
「とっても、良いことが書いてありました」
俺は、そう返した。
「そういや、君、今日、誕生日なんやろ?おめでとぉ」
「あ、ありがとうございます」
好きな女の父親からもらう祝いの言葉は、なんだか照れ臭くて。
「まだ、21かぁ……羨ましいなぁ」
「俺も、すぐに年を取りますよ」
沙耶と出逢ってから、長いようで短かった、二年間。
その間に、俺は永遠の人を愛した。
「せやなぁ……そんなに、寝てないんやったら、過労死するかもなぁ……」
「……寝てますよ。ちゃんと」
「……そうなんか?やけに、仕事が早いんやけど」
全面的に、御園と関わりを持つ、黒橋グループの社長である健斗さんは、苦笑した。
「あの早さは、異常やで?そら、御園の人間が優秀なのはわかっとうけど、君の仕事の回り方が、ほんに異常や。……暫く、沙耶も悠哉も茅耶も見ててやるから、一旦、家に帰り?で、君が必要なものをまとめくれば、ええ。な?」
彼は、大人だ。
俺よりも、何倍も生きた。
だからこそ、彼は心配しているのだろう。
俺がまだ、健斗さんから見れば、子供だから。