【完】☆真実の“愛”―君だけを―2





「ふふ、懐かしいわね。あの瞳」


「だろ?昔の朝陽を見ているみたいだ」


娘の眠る病室で、夫婦は語り合う。


過去の物語。


「沙耶が気にしとること、朝陽やったら、笑い飛ばして許しそうな気がするんやけどなぁ……」


「それは、私も思った」


彼らの脳裏に浮かぶのは、懐かしい笑顔。


「沙耶は、誰よりも幸せになるわね」


ユイラは、静かに呟く。


「当たり前やろ?僕たちの子供なんやから」


それに続いて、自信満々な言葉が部屋に響いた。

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