【完】☆真実の“愛”―君だけを―2





「……姉さんッ!」


「相馬?なんや、帰ってきたんか?沙耶は……」


「沙耶は、健斗さんたちに任せてきた。すぐに戻るから……俺が捌かなければならねぇ仕事、持ってこい!」


仕事部屋に駆け込みながら、俺は声を張り上げた。


すると、甲斐をはじめとした人間らが、仕事を大量に持ってくる。


「相馬、風呂は?」


「入るよ。捌き終わったら」


手を止めることなく、俺は、目の前の案件に集中した。


「当たり前だが、相当、たまってやがる……」


病院では行えなかったものたちを、一気に行う。


それが、どれだけ大変かはわかっているが、今なら、何でもできる気がするんだ。


懺悔なしの、二度目の誕生日。


俺の心は、晴れていた。


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