【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「俺も、氷月も、余裕だから安心してよ。絶対に合格するから」
別に、心配はしてないが。
「兄さん、ご飯食べたら、沙耶のとこ行く?」
「ああ。……俺がいない間、家のなかで、ちょっとした変化あったんだろ?何があった?」
甲斐から受けた、報告。
「ん?住人が増えただけだよ」
「住人?」
「そうそう。えっとねー」
水樹が言いかけたのと、俺が広間の襖を開いたのは、ほぼ、同時で。
中にいた面子は、すでに、酒を呑んでいた。
……まだ、昼にもなっていないのに。