【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
目覚め
■相馬side□
「ところで……なんで、二年間だったんだ?」
車の中。
助手席に座る父親がふと、思い出したように尋ねてきた。
「何がだ?」
「お前と和子の時間が、だ」
父親である春馬は、俺が3歳の頃に家を出ていき、それから音信不通だったのに、フラッと、妹に連れられ、いきなり戻ってきたかと思えば、俺に子供がいることを知り、仰天中。
とりあえず、見たいという要望なので、病院に一緒に向かっていた。
その二人きりの車のなかで、その話題のチョイス……
本当に、残念感が漂いまくっている。
「御園の子供は男は五年、女は七年の教育を受けるのが決まりだろうが」
「そうだけど。それは物心がつき始める、二歳ぐらいからだろ?俺が出ていったとき、お前は3歳だった。教育はじめてから、一年しか経ってねぇじゃねーか」
「そのあと、二年受けたさ。母さんのもとで」
「……」
「でも、あまりの母さんの変貌ぶりに周りが耐えられなくなっていって……危険を感じた陽向さんが、自分のところに俺を引き取ってくれたんだ」
「……」
自分の父親だとわかっていても、イライラする。
本当、祖父を見ている気分だ。
「で、久しぶりに、誕生日だからと家に帰ったら、母さんは父さんの部屋にいるっていうから……覗いたら。血の海の真ん中で、横になっていた」
忘れもしない、あの日のことは。
「俺の、八歳の誕生日だった」
あの日から、囚われ続け……俺は、愛していなくても、女に触れまくった。
苛立ちや、やるせなさ、すべてを捨てきるために。
「ところで……なんで、二年間だったんだ?」
車の中。
助手席に座る父親がふと、思い出したように尋ねてきた。
「何がだ?」
「お前と和子の時間が、だ」
父親である春馬は、俺が3歳の頃に家を出ていき、それから音信不通だったのに、フラッと、妹に連れられ、いきなり戻ってきたかと思えば、俺に子供がいることを知り、仰天中。
とりあえず、見たいという要望なので、病院に一緒に向かっていた。
その二人きりの車のなかで、その話題のチョイス……
本当に、残念感が漂いまくっている。
「御園の子供は男は五年、女は七年の教育を受けるのが決まりだろうが」
「そうだけど。それは物心がつき始める、二歳ぐらいからだろ?俺が出ていったとき、お前は3歳だった。教育はじめてから、一年しか経ってねぇじゃねーか」
「そのあと、二年受けたさ。母さんのもとで」
「……」
「でも、あまりの母さんの変貌ぶりに周りが耐えられなくなっていって……危険を感じた陽向さんが、自分のところに俺を引き取ってくれたんだ」
「……」
自分の父親だとわかっていても、イライラする。
本当、祖父を見ている気分だ。
「で、久しぶりに、誕生日だからと家に帰ったら、母さんは父さんの部屋にいるっていうから……覗いたら。血の海の真ん中で、横になっていた」
忘れもしない、あの日のことは。
「俺の、八歳の誕生日だった」
あの日から、囚われ続け……俺は、愛していなくても、女に触れまくった。
苛立ちや、やるせなさ、すべてを捨てきるために。