【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


『ねぇ、相馬くん、お願いがあるんだけど』


にこっと笑ったヘラヘラ男は、俺に資料を差し出して。


『それ、敵の弱点だから』


と、丁度、極道関係で姉さんを傷つけ、精神的に不安定にさせた連中の弱味を持ってきた。


『これ、どこで……?』


最強と詠われる御園の情報網に引っ掛からなかった、情報。


結局、焔棠の禁忌を犯していた奴等は、“戮帝”の手によって、殲滅されたが……


『京子を傷つけたんだから。俺は、絶対に許さないよ』


あの笑顔を、忘れられない。


わずか、11歳の時の出来事。


ああ、怒らせちゃいけないやつだ……と、思った。


「悠仁って、あの京子のそばで、京子を支えている人?」


「ああ、油断ならねぇよ。マジで、怖い」


「そっかぁ~俺と和子の子供だから、心配していたんだけど。みんな、御園の闇には囚われなくてすみそうだな」

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