【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「……ジジイが、これ」
かける言葉が思い付かず、俺は封筒を差し出した。
震える手で、それを受け取った相馬。
初めて見た、彼の弱さ。
「…………なんだ、これ」
「……」
封筒を開け、中から出てきたのは、ネックレス。
「……ん?」
封筒には、何も書いていなかった。
けど、そのネックレスでわかったのだろう。
相馬の首もとには、薄紫色の石の入ったネックレスがかかっていた。
普段、何も身に付けない相馬が……
沙耶からの贈り物だって、すぐにわかった。
「二個、目……?」
そのまま、一緒に入っていた手紙を開いた相馬は、暫くすると、涙を流した。
「……俺は、最低だったのに」
「……」
「あいつ、俺を責めてくれない。ずっと、どの手紙にも、俺を愛してると書いてあるんだ。ありがとう、と。俺を責めて無いんだよ……俺のせいで、こうなったのに」
髪を掻き上げる、相馬。
「……何て、書いてあったんだ?」
尋ねると、相馬は泣きそうな顔で笑った。
「……」
そして、無言で手紙を見せてくる。
そこに書いてあったのは。