【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「……沙耶は、目覚めるよ。今日中に」
私は、不安げな薫を抱き締め、笑った。
私の持つ、能力。
それが、“予知”。
「大丈夫、死なないよ。だから……薫も、少し休んだら?気を張りすぎ。夏翠にも言ったけどね、私の怪我は私のものだし、沙耶の人生は沙耶のものだから。何があっても、人は責められないんだよ。自分で決めたことなんだから」
どうして、周囲のみんなは自分を責める?
なんにも、悪くなんてないのに。
「……好きよ、薫。貴方を、愛してる」
私のこの言葉が、薫の心に届くのなら。
私は何度でも、繰り返す。
「大丈夫、大丈夫だよ……」
絶対に、生きる。
今日中に目覚めてくれる。
私の本能が、そう告げている。