【完】☆真実の“愛”―君だけを―2

契約の終わり

□沙耶side■



声が聞こえた。


頬が、濡れた。


「……そう、ま……?」


名前を呼ぶと、抱擁が強くなった。


喉が痛く、声がでない。


身体に力が入らない。


「あ、あ……やっぱ、り、似合うね……」


目の前で揺れる、相馬の首もとにかけられた私のあげた、二つのネックレス。


「……っ、生命の、色…………」


私はそう呟いて、苦しさに口を閉じた。


相馬は、一言も喋らなかった。


……耳を、ただ、貫いていた。


相馬の、声が。


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