【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


「沙耶!」


「お父さん、お母さん、お兄ちゃん、春ちゃん、麻衣ちゃん!あ、葉月ちゃんもいる!」


四日目には、家族が来てくれて。


私は、笑顔で応対した。


「今度からは、なんでも話しなさい。みんなと相談して、家になるべくいるようにしたから。貴女が仕事に行ってと懇願するから、行っていたけど……やっぱり、ダメだわ」


「うっ……だってさ、みんなといるのが辛かったんだもん……」


一回死んだせいか、だいぶ、素直にものを言える。


お母さんの泣きながらの説教を聞き、私は素直にそう言った。


「私、やっぱり、忘れられないんだよ。私のせいじゃないって、分かっていても……朝陽は私のせいで死んだんだって、思ってしまうの」


みんな、息を呑む。


その中で、大兄ちゃんは頭を撫でてきた。


「……沙耶のせいじゃない。その言葉が余計にお前を苦しめているのは、知っていたよ」


「……」


「でもな、母さんも父さんもお前に笑っててほしかった。実際に、沙耶のせいじゃないだろう?だから、気にするなと言い続けたんだ。俺たちの方こそ、ごめんな。お前の“真実”を見てあげられなくて」


誰もが、目をそらした。


苦しい過去から。


でも、それはここで終わりにしよう。


「全てを、終わらせような」


そう言って、笑った大兄ちゃんのそばでは、春ちゃんが笑っていた。


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