【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
■相馬side□
「……無理でしょう?」
生きていて、良かった。
沙耶は、俺を置いて逝かなかった。
戻ってきてくれた。
それが、嬉しくて。
その一方で、沙耶が苦しんだ原因の自分が許せなくて。
これ以上、沙耶を傷つけたくなかった。
愛しているから……
「……相馬が今、何を考えているのかね、私、少しなら、わかるよ。でもさ、気にしないでほしいの」
沙耶は、俺を見つめる。
どうして、俺にそんな目を向けられる?
俺は、お前を殺しかけたのに。
「私は、ずっと、傷つくのが、怖かった。朝陽を失ってから、何度も諦めることで、傷つかないように生きてきた。傷つきたくない。……そう、思って」
知っている。
でも、それは、逃げではなかった。
沙耶は、俺とは違う。
「だけどね、本当は私、我が儘なんだ。でも、これで、最後にするから……」
そんなことを考えていると、ネクタイを引っ張られた。
そして、そっと、触れた沙耶の唇。
冷たくて震えている、その唇。
一瞬のような時間。
一瞬のような触れあい。
それだけで、俺は泣きそうになった。
離れたあと、沙耶は笑う。
「契約はこれで終了!もう、自由になってもいいよ」
笑顔で、俺を引き離す。
「……無理でしょう?」
生きていて、良かった。
沙耶は、俺を置いて逝かなかった。
戻ってきてくれた。
それが、嬉しくて。
その一方で、沙耶が苦しんだ原因の自分が許せなくて。
これ以上、沙耶を傷つけたくなかった。
愛しているから……
「……相馬が今、何を考えているのかね、私、少しなら、わかるよ。でもさ、気にしないでほしいの」
沙耶は、俺を見つめる。
どうして、俺にそんな目を向けられる?
俺は、お前を殺しかけたのに。
「私は、ずっと、傷つくのが、怖かった。朝陽を失ってから、何度も諦めることで、傷つかないように生きてきた。傷つきたくない。……そう、思って」
知っている。
でも、それは、逃げではなかった。
沙耶は、俺とは違う。
「だけどね、本当は私、我が儘なんだ。でも、これで、最後にするから……」
そんなことを考えていると、ネクタイを引っ張られた。
そして、そっと、触れた沙耶の唇。
冷たくて震えている、その唇。
一瞬のような時間。
一瞬のような触れあい。
それだけで、俺は泣きそうになった。
離れたあと、沙耶は笑う。
「契約はこれで終了!もう、自由になってもいいよ」
笑顔で、俺を引き離す。