【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
□沙耶side■




「私は、ずっと、傷つくのが、怖かった。朝陽を失ってから、何度も諦めることで、傷つかないように生きてきた。傷つきたくない。……そう、思って」


ただ、逃げていただけだったの。


過去に蓋をして、朝陽のせいにすることで。


ほら、私は“弱い″。


『お前は強いよな。憧れるよ』


そう言って、相馬は笑ってくれたけど、私は本当は弱いんだよ。

泣き虫で、お兄ちゃん子で。


誰かに縋らなくては、生きられない子なの。


決めていたの。


もう、二度と、感じないって。


貴方に安心感なんて。

感じたら、認めたら、私は貴方を欲する。


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