【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「相馬、好きな人がいるのでしょう?私のことなんかより、そっちを優先しなくちゃ。あ、心配しないで?双子は、私が育てる。明日、会いに行くんだ!」
私の左手の薬指に輝く指輪。
私のものではない。
なら、誰がつけたんだろう。
相馬なら……そう願い、考えを打ち消す。
苦しくて、私は、こんなにも相馬が好きだと、愛してるということを自覚する度に、苦しくて。
だから、見ないふりをする。
朝陽を喪って、そのせいで、アイラまで居なくなって。
お父さんとお母さん、お兄ちゃんたちが悲しんで、泣くのを見たあの日。
私は人を愛さない。……そう、決めた。
誰かを悲しませるから。
家族を悲しませたくない。
私のせいで、泣いてほしくない。
家族のため、家族のためだと言って、結局、私は逃げていた。
……自分はいなければ良かった。そしたら、みんな、幸せでいられたのに。
そんなことを何度、考えたかわからない。
もし、いつか、私が、誰かを深く愛して、守りたい存在ができたときに死んでしまうかもしれないという、私が拒む“死″への恐怖から、何よりも大切で、誰よりも愛してくれた家族を理由に、私は“逃げて″いたんだ。
でも、それだけじゃない。