【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「大事……か」
フェンス越しに町を眺める沙耶は、寂しそうに笑って。
「……柚香はいつも、そう言ってくれるもんね」
「当たり前じゃない。前みたいにいなくなってもらったら、困るもの」
「ふふ、もう、いなくならないよ」
柚香と楽しそうに会話するのに、どこか、やっぱり、寂しそうで。
それを誤魔化すかのように、沙耶は首をかしげた。
「そんなことより……皆さん、授業は?」
ここに現れた面子を見て、沙耶は苦笑い。
「受けなくてもいいもんね」
「……金銭的には、受けた方がいいけどね」
「テストは点数とってるし、普段、授業に出ていないからな。……今更だろ」
揃っているのは、薫、光輝、俺、蒼生、水樹、澪、柚香……のみ。