【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


「……あー、っ、ま、まぁ!気にしないで!死ぬと思ったから、言い残したことを言っただけだから!本当に、相馬が気にすることでは……」


こんなことで、誤魔化せるだろうか。


でも、諦めると決めた恋だ。


叶える気なんて、とうの昔からない。


火照った体を冷まそうと、手で扇ぐ。


すると、腕を引かれ、気がつけば、相馬の腕のなか。


(……まてまてまて!)


なんか、ヤバイことになりそうな気がする。


意外と、根強く心に残しちゃったか?


その手紙を処分できたらいいのだが……


相馬の手元にあるのだ。


口に出さないとできない。


手紙なんて書くもんじゃないと、心から思った瞬間だった。

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