【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


「……どうする?」


すべての選択を、与えてくる沙耶。


「どうする、って……」


「貴方が望むことをして良いわ」


俺に託す。


何もかも。


「……っ」


(なぜ、嫌いと言わない?)


不思議だった。


普通なら、死にたくないとキレるところだろう。


どうして、俺の言う通りにする?


「……お前、死にたいのか?」


俺の声は、震えていたであろう。


「アホじゃない?んなわけないじゃん」


けど、沙耶は気にせず。


俺の言葉を冷静に受け止め、返してくる。


だから、俺は次の手段に出た。


沙耶に憎まれるには、嫌われるには、言ってもらうのが一番だと考えた。

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