【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


「私は好きだよ。相馬のその瞳」


恐らく、俺の瞳の色は金色と化していることだろう。


沙耶は、それを綺麗と言うのか。


「言ったでしょ?味方だって。好きな人のことを、嫌いなんて言えるわけがない。好きよ、何度も言ってあげる。忘れてほしい想いだけど……相馬がそこまで追い詰められているのなら、何度も言うよ」


真っ正面。


沙耶の迷いなき目が、俺を射抜く。


「愛してる、相馬」


(……勘弁してくれ)


お前を手放せなくなる。


閉じ込めて、全部、自分のものにしたくなる。


「……俺は、狂ってる」


「……」


「血も、何もかも。全部、狂ってる」


心の中で、願い続けた。


「お前に死ぬなと言いながら、俺は望んでた。“誰か、俺を殺してくれ”と」


闇の世界。


苦しくて、苦しくて。


「ごめん、沙耶……」


俺は、お前に、嘘をついていた。


そんな俺でも、愛せるか?


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