【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


“お前”は沙耶の首もとに顔を埋め、沙耶の柔肌に歯を立て……


「や、痛っ…………!」


嘆く、沙耶を押さえ込む。


「あっ……は!」


満足したのか、止まった俺の欲求。


「…………………………疲れた」


俺に解放された沙耶は、腰が抜けたらしく、俺の腕に寄りかかり、項垂れた。


「あんたの欲、半端じゃないわ……なめてかかったら、私、死ぬね」


頬を上気させ、肩で息をする沙耶。


「でもまぁ、鬼化する狂愛者と異常者」


沙耶は一つ、息ついて。


「なかなかお似合いじゃない?」


そう言って、笑顔を見せた。

それは、真実の笑顔だった。


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