【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「知ってはいたけど……直接見ると、興奮するね!」
「鬼姿を見て、興奮されたのは初めてだよ……」
肩を噛まれたお陰で、血が出る出る。
借りていた入院服は、私の血で真っ赤に染まってしまい……これから、直樹さんに謝りに行くこととなった。
「……つか、マジで、どこで気づいていたんだよ」
「なにがー?」
「……俺のこと」
鬼になることだろうか、
相馬の気持ちにだろうか、
……首をかしげると。
「……俺の気持ち」
彼は、そう呟く。
「相馬の気持ちに気づいたのは、昨日の夜ー」
「は?」
「私を、愛してる。って、言ってくれたでしょう?」
相馬の手に頬擦りをして、意識を手放しかけたとき、相馬は私の手を強く握って、その言葉をいっていたことに気づいていないのだろうか?
さすがにあそこまで強く握られたら、落ちていっていた意識も浮上する。
「……っ、起きてたのか」
「正確には、それで起きた、かな。指輪もずっとはまったり、なくなったりしていたから……何でかなとは思っていたけど。お母さんがくれて、それを相馬が親切にはずしてくれているのかなと思ってた」
今考えれば、おかしいが。
「よく考えてみれば、わかることだよね。お母さんがアクセサリーをくれるわけけないのに」
本当によく考えれば、わかること。